【カンボジアの手続き】ワークパミットカード取得方法 #01

生活情報

カンボジアに長期滞在する方にとって毎年恒例のワークパミットカードの更新時期に入りましたね。

あまり知られていないのですが、カンボジア国内で職に就いていようが、ノマドワーカーや無職であっても外国人はワークパミットカード(foreign work permit Card)が必要です。※例外もあります。

今回は、EB VISAで滞在する外国人向けワークパミットカードの取得方法について解説します!

ワークパミットカードとは?

ワークパミット(労働許可)とは、一般的に外国人が自国以外の国で就労する際にその国から労働の許可を得ることです。滞在許可であるビザとは別に取得する必要があります。

・滞在許可=ビザ
・就労許可=ワークパミット
 と考えてよいかと思います。

つまり、滞在許可を得ただけではその国で就労できません。

※ちなみに日本は珍しく、日本に住む外国人には滞在許可と就労許可が1つになった在留カードというものが発行されます。そこに滞在期間や職業や就労の可否なども書かれています。

ここでは、すでにEB VISAで滞在する外国人向けのワークパミットの取得方法を案内します。

カンボジアのワークパミット

ワークパミットの概要

カンボジアのワークパミットは、新規申請の場合はEBビザ取得後に申請できます。

有効期間は1年で、いつ申請してもその年の12月31日までです。

取得済みのワークパミットの更新時期は、毎年1月から3月31日までです。最近は前年の12月下旬ごろから翌年のワークパミット申請を開始しています。


なお、3月31日以降に取得していない場合、取り締まりの際の罰則規定に該当することになります(取り締まり、罰則規定がどこまで厳密に運用されているかは不明ですが,,,)。

ワークパミット対象者

さて、前述のとおりカンボジアは不思議な制度を採用していて、長期滞在する外国人は職に就いているか否かに関わらず、ワークパミットの取得を必須としています。

ただし、以下の場合はワークパミットの取得が不要です。
【例外】
ER VISA(退職者ビザ)所持者
ES VISA(学生ビザ)所持者
EP VISA(求職者ビザ)所持者
EB VISA所持者で配偶者の駐在に同伴し、就労しない家族(18歳未満の未成年者を含む)
K VISA所持者
A,B,C VISA 所持者

つまり、
EB VISAで滞在する外国人で上記の例外に当てはまらない人はワークパミットの取得が必須です。

例えば、
①現地企業や日系企業、団体に勤める人
②カンボジアで事業経営している人
③フリーランスやノマドワーカーの人
④無職のカンボジア人の外国人配偶者 などが取得の対象です。

上記の①に該当する人は、所属先企業や団体が手配する場合が多いので勤務開始前にきちんと会社がワークパミットを手配してくれるかどうか、必ず確認しておきましょう。
外国人従業員が自分しかいないケースなど稀に自分で申請しないといけない企業もあるみたいです。

①に関しては会社が行う場合がほとんどで需要が少ないと思うので、この記事では②③④に該当する基本自分で申請しなといけない外国人向けを案内しています。

ちなみに私は①に該当し、会社がワークパミットを取ってくれるので、この記事を書くにあたって自力でワークパミットを取っている友人に協力してもらいました。友人に感謝です。

事前に用意するもの

ワークパミット申請をする前に事前に用意する必要がある書類等をまとめてみました。
※ただし、人によって違うので、あくまで基本の必要書類です。

【必要書類】
⓪メールアドレス
①パスポート(顔写真ページ)のデータ
②カンボジア入国
時のシングルEビザ
③現在有効なカンボジアのEBビサ
④商業省発行のビジネス証明書 ※カンボジアで事業経営している外国人のみ
⑤税務署発行のタックスパテント ※カンボジアで事業経営している外国人のみ
⑥健康診断書
⑦顔写真
⑧サンカットもしくはコミューン発行の居住証明書

①~⑧すべての書類は揃えたら事前にPDFデータにしておく必要があります。

⑥の健康診断書は、基本的にどこの病院のものでもOKですが州立病院など国営病院以外の健康診断書はMedical Check Verification代として、20,000リエル(約5$)かかります。国営病院の場合はこの費用が浮きますが、外国人が国営病院で健康診断書を取得するのは時間も労力も使うので、個人的には私立病院やプライベートクリニックで取得した方が楽だと思います。

私の場合、ワークパミット申請に関しての費用は会社持ちなので⑥健康診断書は毎年ロイヤルアンコール病院で取得しています。

ただ、ここの病院はワークパミット用の健康診断が、身長・体重測定、血圧・脈拍測定と簡単な医師の問診だけで40$という高額です,,,自費だと絶対利用しないですが、英語が通じるので言葉の面でストレスは少ないです。
ちなみに他のプライベートクリニックだと大体15~20$くらいが相場です。

⑧の居住証明書は、自分の住む地域の役所(SangkatやCommune)で取得します。実はこれが何気に一番面倒くさくて,,,
あくまでシェムリアップ市内の場合ですが(その他の地域の場合は分かりません)、まずシェムリアップ州警察本部にある移民課(General Department of Immigration:GDI)で役所宛のレターを書いてもらい、レターを持って役所へ居住証明書(Residence Certificate)の申請をし、発行してもらいます。

警察本部の移民課は英語対応してもらえますが、役所の職員さんはほぼクメール語のみなので知り合いのカンボジア人などに付き添ってもらうことをお勧めします。

ワークパミットの費用

人によってかかる費用が違ってくると思いますが、ワークパミット取得にかかる費用の概算をまとめました。

・ワークパミット手数料 520,000リエル(約130ドル)
・健康診断書のMedical Check Verification代 20,000リエル(約5ドル)
・健康診断書発行 10~40ドル(医療機関による)
・居住証明書 5~10$(サンカット、コミューンによる)
 ※カンボジア人の友人曰く、この居住証明書は法令で手数料決まってるので基本的に外国人であっても無料らしいです。ただ、残念ながら外国人で無料で取ったという話を聞いたことがないです。

高く見積もって)合計185ドル

ワークパミットの申請方法

ワークパミット公式サイトでアカウント取得・ログイン

まずは、カンボジアのワークパミットカードを管轄するMinistry of Labour and Vocational Training (労働職業訓練省)のワークパミット申請サイト Foreign Workers Centralized Management System (FWCMS) へアクセスします。

サイトのトップ画面がこちら↓

ワークパミット申請サイトFWCMSのURLはこちら https://www.fwcms.mlvt.gov.kh/

まずは、トップ画面の【Self-Employed】の【Register】からワークパミット申請用のアカウントを取得します。この時にメールアドレスが必要となります。

アカウントを取得したらメールアドレスと設定したパスワードで【Login】からログインします。

ちなみに、[①現地企業や日系企業、団体に勤める人]は【Foreign Worker】からアカウント取得、ログインします。

必要事項の入力・書類のアップロード

ログインするとこの画面が表示されますので、順に必要事項の入力、PDFデータのアップロードを行います。

入力ステップはA~Eの5つで、Cに関してはなぜか選択肢がクメール語のみという謎の設定になっていますので、Cを入力する際はカンボジア人の友人などに協力を仰ぐ必要があります。

また、が付いている事項は入力必須です。

ステップ1 A. Detail Information As In Passport

ここでは申請人の基本情報とパスポート情報の入力とパスポートの顔写真ページをアップロードします。

①パスポートに記載の姓Surnameを入力
(②日本のパスポートにはミドルネームありませんので省略)
③パスポートに記載の名Given Name入力
 ※「①First Name、③Last Nameとあるので①名、③姓の方が正しいのでは?」と思われますが、特に厳格な決まりはないようです。ワークパミットの氏名表記をパスポート記載通りの姓名順にしたい場合は①姓、③名の入力で問題ないありません。好みに合わせていいかと思います。
④性別を選択
⑤生年月日を選択
⑥身長を㎝単位で入力
⑦「JAPANESE」を選択 
⑧「JAPAN」を選択
⑨パスポート番号を入力
⑩「Ministry of Foreign Affairs」を入力
⑪パスポートの発行日を入力
⑫パスポートの失効日を入力
⑬パスポートの顔写真ページをアップロード

ステップ2 B. Detail Information As In Visa

ここではカンボジア入国時のエントリーEBビザと現在有効なEBビザの情報を入力し、それぞれのビザをアップロードします。

①「Visa E」を選択
②ビザ番号(アルファベット2桁、数字10桁)を入力
③ビザの発行場所を入力
④ビザの発行日
⑤ビザの失効日
⑥入国日
⑦ビザのRemark欄「Buisiness」を入力
⑧「Temporary Resident」を選択
⑨ EBビザのビザ番号(アルファベット2桁もしくは3桁、数字10桁)を入力
⑩EBビザの発行場所を入力
⑪EBビザの発行日
⑫EBビザの失効日
⑬Eビザと入国スタンプのページをアップロード
⑭EBビザをアップロード

ステップ3 C. Business and Education

ここでは、カンボジアでの就労、活動について入力します。③④については、カンボジア人に協力してもらう必要があります。

①事業名・企業名等を入力 ※商業省で事業登録している場合はその登録名のとおり入力
②主な事業を選択
③主な事業の内容を選択 ※選択肢クメール語のみ
④主な事業の規模を選択 ※選択肢クメール語のみ
⑤事業開始日を入力
⑥事業拠点の住所を入力
⑦役職のカテゴリーを選択
⑧役職を入力
⑨給与を入力
⑩最終学歴を選択
⑪(事業登録している場合)商業省発行の商業登記証書をアップロード
⑫(事業登録している場合)税務署発行のタックスパテントをアップロード

ステップ4 D. Physical Aptitude Certificate

ここでは、事前に受けた健康診断書のアップロードを行います。

①「other」を選択し、健康診断書を取得した医療機関名を入力
②健康診断書をアップロード

ステップ5 E. Contact

ここでは、申請人の連絡先の入力と居住証明書をアップロードします。

①携帯電話番号を入力
②その他の携帯電話番号を入力
③現住所を入力 ※⑩の居住証明書に記載の住所と合致している必要があります。
④メールアドレスを入力
⑤メールアドレスの確認再入力
⑥パスワードを入力 ※任意設定
⑦パスワードの確認再入力
⑧「1Year」を選択
⑨ワークパミットカード用の顔写真をアップロード
⑩居住証明書をアップロード
⑪✔を入れる
⑫A~Eまでの入力内容に問題がないか確認し、「Submit」をクリック

以上のステップ1~5でワークパミットの申請完了です!

「Submit」をクリック後、申請受付メールなどは届きません。申請できているかの確認は、FWCMSのログイン画面で上記のように「Pending」になっていれば、OKです。

ワークパミット手数料の支払い/受け取り

ワークパミットの申請完了から2,3週間後にワークパミットの許可通知メールが登録メールアドレスに届きます。

許可通知メールにはワークパミットの手数料の支払い伝票と支払期限の案内がありますので、支払期限までに指定の銀行(ACLEDA BankもしくはABA Bank)へ手数料の支払いします。

支払方法は、許可通知メール添付の支払明細書を印刷して、各銀行の窓口で支払う方法各銀行のスマホアプリから支払う方法があります。

今回は、在住者なら必ず口座を持っていると言っても過言ではない、ABA Bankのアプリを利用しての支払いをご紹介します。

ABA Bankアプリのトップ画面中央の①「Government Services」から②「Foreign Work Permit」を選択しましす。

③「Reference No.」 に支払明細書のReference No.を入力し、支払います。

アプリでのワークパミット手数料の支払い方法は、これで完了です。

手数料支払い後は、FWCMSのログイン画面で「Approved」になっていることを確認します。
支払い後、この画面の「Action」から「Invoice」がダウンロードできるようになります。

支払い後は、概ね1週間程度で国内EMS郵便で最寄りの郵便局に届きます

ワークパミット申請時に登録した携帯電話番号に郵便局から「ワークパミット届きましたよー」と電話がありますので、郵便局へワークパミットカード受け取りに行きます。

上の写真がワークパミットカードです。
ハードタイプのカードで裏面左下のQRコードからワークパミット申請時の情報を読取りすることができます。

財布などに入れて持ち歩くようにしましょう。

まとめ

・新規取得はEBビザ取得次第
・更新時期は1月から3月末
・有効期間は12月31日までの1年間
・取得費用は高くて185$
・申請から取得までの所要期間は、概ね1カ月
・基本的にオンラインで完結できる

今回、外国人として海外に暮らすのも楽ではないなーと感じる行政続き、すこしでも力になればと思ってまとめた2024年2月時点での記事です。

だた、ワークパミットの扱いはその人の職業や滞在目的等によってことなりますので、ヒントがあればいいなくらいの感覚で、あくまで参考程度に読んでいただけると幸いです。


また、ワークパミットは労働職業訓練省が発行するものですのでこちらにご質問やお問い合わせいただいても回答できませんので、ご自身で労働職業訓練省に確認してください。